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「国防軍」は、いらない

2013-06-25

昨年4月に発表された自民党の「日本国憲法改定草案」には、憲法第九条を改変し、「国防軍」の規定を加えることが示されています。

自民党員のみなさんは、本当に「国防軍」がほしいのでしょうか。

5月11日の、「国防軍」を正当化する小野寺五典防衛相の発言には改めて驚かされました。海外で武力を行使する軍隊が必要で、それが「国民を守るため」だと主張しています。

少し前までの日本では、こんな発言をする大臣は、やめさせられたでしょう。しかし、いまは総理大臣を先頭に現憲法を否定し、改憲をかかげています。


小野寺防衛相、自衛隊の「国防軍」化に理解求める

  小野寺五典防衛相は11日に札幌市での自民党北海道連定期大会で講演し、自民党が改憲案で自衛隊の「国防軍」化を掲げることについて「よく(自衛隊の活動の)内容を見れば当たり前のことだ」と理解を求めた。「国、国民、日本人の財産を守る。素直に書くと国防となる」と語った。

 「自衛隊も海外に行けば軍の扱いになる」とも指摘。「相手国とぶつかって国民を守るため銃を使い、相手をけがさせ、あやめてしまうかもしれない。軍という組織なので個人に責任はない。個人なら傷害、殺人ととられる」と述べた。

                     (出典:朝日デジタル 2013年5月11日(土)14:35)


 

同防衛相は、「国防軍」のねらいを明け透けに語っています。

「自衛隊も海外に行けば軍扱いになる。」

「相手国とぶつかって国民を守るために銃を使い、相手をけがさせ、あやめてしまうかもしれない。軍という組織なので個人に責任はない。個人なら殺傷、殺人ととられる。」

「個人なら殺傷、殺人ととられる」ことが、「軍」ならば何になるのか。「国民を守るための行為」とでも言うのでしょうか。

しかし、説明をどう付け足してみても、「軍」が異国で「銃を使い、相手をけがさせ、あやめてしまう」のは、戦争行為そのものです。

そのようなことを禁じているのが日本国憲法第九条です。国際紛争を武力で解決しようとする道は決して選ばない、戦争を国家権力に対して禁ずるというのが私たちの選択です。

自衛隊が海外に展開しなければ、異国で「相手国とぶつかる」こともありません。自衛隊が異国で「相手国とぶつかって銃を使う」という小野寺氏の想定自体がおかしい。武力衝突になる可能性のある海外に自衛隊を送ってはならないのです。

しかし、海外で武力行使がしたくてたまらない人たちがいるようです。


「国のため」、「国民を守るため」という理由なら戦争をしてよいという主張は、すべての戦争で使われてきました。「殺人、殺傷」を正当化するのが戦争の大義名分です。大義名分は、作ることができるものです。かつての日本の侵略戦争がそうでした。最近では米国がイラク戦争で「お手本」を示しました。

使い古された「国民を守るため」という理屈で戦争を正当化する主張。その主張をする人たちが、20世紀前半に日本がおこなった戦争をいまだに侵略戦争であったと認めない人たちだということを、決して軽視することはできません。

戦争の陰に利益あり。戦争で莫大な利益を得る人たちがあるということも見逃すことができません。「正義」を振りかざして戦争をしようとする人たちの背後に、その「利益」に結びついた人たちがあり、自らは安全なところに身を置いています。


海外での武力行使を目指す「国防軍」への改憲は、「自衛」の範囲を超えています。しかし、それに対するマスメディアの反応は、すっかり弱くなってしまったと感じます。

中日新聞東京本社(東京新聞)の半田滋・論説兼編集委員の講演が、23日に岐阜でありました。「自衛隊から国防軍へ・・・本当にいいの?」というテーマで、「国防軍の問題を指摘」したものです。主催は、岐阜九条の会の会員らでつくる実行委員会とのこと。私は聴きに行けなかったのですが、24日の同紙の岐阜広域版に記事が掲載されました。

「(半田滋氏は)参院選後を展望し、自民党が『国家安全保障基本法案』を国会に提出するのではないかと予測。『法案は集団的自衛権を認める内容だ。もし法案が成立してしまえば、憲法を改正させずに九条を踏み越えてしまう。』と警告した。」(20112013/06/24中日新聞16頁)

安部首相は、世論をおそれて選挙では九条改憲を訴えず、この問題をうやむやにして、選挙後、「国家安全保障基本法案」によって、九条を踏み越えようとする可能性があるという指摘です。

選挙の争点隠しに注意が必要です。

こういうジャーナリストも存在するということを心強く思います。


憲法は、今度の参院選の大争点です。

「戦争はだめだ」という意思を、私たちは示さなければならないと思います。


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