関市の水道課職員の収賄事件(その1)
5月17日に市職員が逮捕された事件。
大変残念です。
尾関健治市長の「関市職員の不祥事に対するお詫び」を改めて読みました。
(参照:関市公式ホームページ→市長のページ→ごあいさつ)
こうした問題が起こらないようにするためにはどうしたらよいのでしょうか。
第4回関市議会全員協議会が、5月20日にありました。
5月16日付の案内には別の議題が記されていたのですが、
それに先立って、水道工事をめぐる贈収賄事件が議題になりました。
尾関市長が陳謝すると共に今後の方針と決意を述べ、
中村繁副市長から経過の説明がありました。
市当局が説明した経過の概略は次のようなものです。
1月に市民から「水道課職員が業者と飲食を共にしているが癒着しているのではないか」との指摘があった。内部で調査したが不正の事実が把握できず、1月28日に内部会議で調査継続を決めた。
2月中旬に、この件で警察が捜査しているという情報が入った。警察の捜査に協力した。
3月中旬に、当該職員が業者と複数回、飲食を共にしていたことがわかり、同じところで継続勤務させるべきではないと判断し、4月から学校給食センターに異動させた。
5月17日に当該職員が収賄容疑で逮捕された。
警察の報道発表
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容疑者となった技能労務職員は昭和46年4月採用で、42年間勤続。退職間際になって調理員になり、それから間もなく逮捕されたということです。異動があったので「元水道課職員」ということになりました。
逮捕理由の「実家の給湯器の取替工事(施工価格 十数万円)を施行させて、提供を請けたもの」という事実について、市当局は把握しておらず、警察発表によって知ったとのこと。
事件に関して議会全員協議会に配付された資料は、警察の報道発表のペーパー1枚だけでした。
市がおこなった調査内容について質問しましたが、容疑者が逮捕され警察が取り調べ中のためという理由で詳細は明らかにされませんでした。
「発注が贈賄容疑の業者に偏っていたとの報道があるが、調査したのか」
と質問したところ、
「報道関係者から尋ねられたので、資料をまとめ配付した」
との回答。
「報道関係者に提供した程度の資料も、議会にご提供いただけないのか」
と重ねてききました。
「提供できる」
との回答だったので、資料提出を求めました。
協議会終了後、全議員に資料が配付されました。
「修繕費(配水及び給水費)」の一覧表(A4版1枚)という資料で、H21~24までの4年間に工事実績のある19社について、業者ごとの受注件数、金額、それぞれの比率が示されています。
贈賄容疑で逮捕された業者の受注実績の推移は、
H21年度 79件(48.47%) 23,409,750円(48.48%)
H22年度 91件(43.75%) 25,634,700円(40.42%)
H23年度 77件(39.09%) 24,604,650円(41.95%)
H24年度 59件(36.65%) 16,215,150円(33.10%)
これは明らかに発注が偏っています。
4年間では平成22年度に件数も金額もピークになっており、
平成23年度、平成24年度にかけていずれも低下しています。
特に平成24年度は前年度より8,389,500円の減で3割以上減っています。
発注全体に占める割合では、
平成21年度が最高で、半分近くを占めていたことがわかります。
こういうことが明らかになっていれば、もっと早く問題になったと思います。
資料から、贈賄容疑の会社の他に、もう一社、受注率の高い事業者があることもわかりました。2社が受注した修繕工事の件数、金額、比率の合計を出してみたところ、次のようになりました。
H21年度 133件(81.57%) 40,918,500円(84.74%)
H22年度 142件(68.27%) 43,876,350円(69.19%)
H23年度 116件(58.89%) 36,175,650円(61,68%)
H24年度 99件(61.50%) 33,706,050円(68.80%)
2社で6~8割以上を占めていました。
この2社以外の事業者は、平成24年度の場合、件数で0.00%~9.32%、金額で0.00%~7.93%の範囲にちらばっています。2社が突出しています。
一覧表の中には、一年間の受注がゼロの業者も少なからずあります。19社の中で、各年度に受注した業者を数えてみると、
H21年度 9社
H22年度 7社
H23年度 11社
H24年度 15社
H23年度以降、受注業者数が増え、受注無しの業者が減っています。
ところで、市が配付した工事実績の資料は、なぜ4年分なのでしょう。
贈収賄事件の時効を調べてみたところ、
贈賄側が3年、収賄側が5年で時効になる
ということがわかりました。
4年分の資料というのは、とても中途半端です。
それ以前のことが気ににかかり、さらに調べることにしました。
(その2につづく)
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