学校給食の異物混入―対応マニュアルとコバエ
2013-10-01
7月に、関市の2つの小学校で、学校給食に異物混入が相次いで見つかり、ニュースになりました。
1件は、生きたハエの幼虫。
もう1件は、パンフレットをとじるホチキスの針のような細い金属片の曲がったもの。
どちらも混入の原因は今も不明のままです。このことは、20日の関市議会一般質問でも確認をしたところです。
原因不明ということは困ったことで、関係者が「今まで以上に気をつける」ということになります。具体的な対策としては特に新たな対策も考えられず、再発防止という点では心許ないところがあります。
今回の異物混入を踏まえて、関市は異物混入に関する対応マニュアルを新たに作成しました。(今まではなかったそうです。)
しかし、対応マニュアルがあってもうまくいかない場合があります。可児市の学校給食のパンにコバエが混入していたというのがそれです。
中日新聞9月29日付↓
岐阜新聞9月29日付↓
「学校給食における異物混入事故発生時の対応について」(4頁)
「異物混入の防止策について」(2頁)
合計6ページの文書です。
「発生時の対応」の中の該当箇所を引用してみます。
3 教室で発見した場合
(2)非危険異物の場合
※非危険異物:虫、毛髪、食材の包装材料の切れ端など健康への影響度が少ないもの
①異物混入した献立をそのまま保存し、学校長・教頭に混入の状況を報告する。
➁学級担任は、異物を除去するか他の食器に盛り替え、安全を確認のうえ提供する。ただし、大量に混入していた場合は、危険異物と同様に対応する。
③学校給食センターへ連絡する。
④児童・生徒には学級担任等から状況を説明する。
⑤給食主任は、食器返却時に異物を学校給食センターへ送る(配送事業者に預ける)
※赤字(下線部分)は、私が修飾したものです。
関市の対応マニュアルにも、「異物を除去」して「安全を確認のうえ提供する」と書かれていました。このマニュアルから考えると、可児市と同様のことが関市でおこる可能性があるということになります。
マニュアル通りの杓子定規な対応では、現実にはうまく対応できない場合があるということがわかります。
「危険異物か非危険異物か」という判定区分で済ますのでなく、「給食を食べる子どもが不快に感じるかどうか」という個人差に対する配慮も必要ではないかと思います。
「大量に混入していた場合は、危険物と同様に対応する」とありますが、「大量」の判断も難しいところです。
パンに付着していたのは、クロバネキノコバエだとのこと。
これも大変悩ましい話です。
クロバネキノコバエの大量発生は、関市でもおこっています。
7月に関地域の富野地区で発生。
このとき、私はこのクロバネキノコバエの生態がよくわからないまま、「ハエ取り器はコバエの大量発生の対策に役立たないか」と思ったのです。これは恥ずかしながらこのブログの過去の記事に書いてあります。関市の生活環境課の職員の方がハエ取り器を試してくださったのですが、クロバネキノコバエにはまったく役に立たなかった様です。大型(?)のハエやショウジョウバエのようにハエ取り器に誘引することができないということです。
その後、コバエの発生は収束したかに見えましたが、8月のお盆過ぎに、今度は武儀地域で大量発生の情報。武儀地域の西部順子さん(元武儀町議)の案内で、5軒ほどをお訪ねして、実情をうかがってきました。
網戸も抜けてしまうし、サッシを閉めきっていてもどこかの隙間から家の中に入ってきてしまうので、困ってしまうのです。あるお宅では、タンスの中にいっぱいたまったコバエの死骸を見せていただきました。
クロバネキノコバエの大群が、風に流されるようにして民家にやってくるのは、朝から昼前とのことでした。ある人は「このコバエは人の家に死にに来るようだ」と言っていましたが、いったいこのハエの生態はどうなっているのでしょう。
朝はコバエが身体にまとわりついて気持ちの悪い目覚め。玄関の外にコバエの大群が押し寄せ、外出を見合わせて30分くらい待ってから様子を見て外出したという話もありました。そして少なくとも朝晩2回の、家中のコバエの死骸のそうじに疲れ果てているとのこと。とくに赤ちゃんがいるご家庭では、掃除に神経をつかってみえました。
「富野地区でもまた発生している。本当に困ってみえる。さわたりさん、なんとか対策を検討して」
という電話も、その頃、いただきました。
しかし・・・。
色々調べてみましたが、決め手がありません。
発生源が特定できず広範囲であるため、発生源対策が困難です。
殺虫剤散布を大量におこなえば、健康被害や環境汚染などを引き起こしかねません。
家庭用の虫除け(忌避剤)も問題解決にはほど遠く・・・。
「大群がやってきたら、大型の屋外用扇風機で吹き飛ばすのが一番いい」という対処法も聞きましたが、これはせめてもの対抗策というところでしょうか。
豊田市などいくつかの自治体では、専門家に委託して調査をしたようですが、やはり有効な対策は見つからないようです。
今のところ、関市の学校給食センター周辺では、クロバネキノコバエの大量発生の報告はありません。しかし、もし発生したら、おそらく給食への混入を防げないのではないかと心配していました。場合によっては給食の提供ができなくなる可能性があります。
その意味では、可児市のパンの納入業者がお気の毒にも思えてきます。
しかし、同じことが続き、2度目の大量のコバエの混入にもまったく気づかなかったのかということについては、管理上の問題ということだと思います。
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追記:中日新聞、岐阜新聞の記事の日付がいずれも「9月28日付」となっていましたが、正しくは「9月29日付」でしたので、訂正しました。(10月2日)
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