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白川郷 ― 合併をしなかった村

2013-11-10

合掌造りで知られる白川郷・荻町地区で、今日、火災に備える放水訓練が行われたというニュースをテレビで見ました。それを目当てに遠方からも観光のお客さんが訪れていました。

あいにくの霧雨の中でしたが、それでも合掌造りの三角形の高い屋根よりなお高くいっせいに吹き上げられた放水は、高台からの映像ではまるで大きなススキの穂のように広がり、とてもきれいでした。



飛騨の白川村を、関市は「市民休暇村」に指定し、以前は「白川村に宿泊すると関市から助成金(大人1000円、子ども800円)を出す」という宿泊助成事業がありました。この事業は尾藤義昭前市長の”政策総点検”の中で廃止となりましたが、交流は今も続いています。

民間有志の会ですが、関市には「白川を愛する会」があり、白川村には「関を愛する会」があります。このように文字にすると何だか気恥ずかしいような感じもしてきますが、言わば相思相愛(?)の仲です。

豪雪地帯の白川村では、かつては冬の間に関市で暮らして刃物工場ではたらく人がかなりあったということです。それも遠い昔のことになってしまいましたが・・・。

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これは関市役所の敷地内にある「白川の森」


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木立の中に、石碑が建っています。


議会も年に一度、交流の機会を持ち、相互に行き来をしています。先月、10月16日「関市議会・白川村議会交流懇談会」に参加しました。白川村役場での情報交流懇談会の後、鳩ヶ谷の八幡神社のどぶろく祭を見せていただき、夜は懇親会をおこなって帰って来ました。(往復は市のマイクロバスを使用。昼食代や懇親会費は議員の実費負担です。)

世界遺産の村・白川郷は、今、リゾートホテルの誘致問題で揺れています。

人口減少と雇用対策が重要課題で、宿泊客を増やすためにリゾートホテルを誘致するという構想があり、一方で、それが既存の民宿の経営を圧迫しないか等の心配があるそうです。


飛騨の白川郷は、岐阜県屈指の観光地です。 1995年に富山県の五箇山と共に合掌集落が世界遺産に登録され、知名度は抜群、海外からのお客さんも多いようです。

人口1700人余りの村に、ピーク時で年間186万1千人(2008年)の観光客が訪れたとのこと。平均すると1日5098人、人口の3倍のお客さんが毎日来たということになります。

先月の「関市刃物まつり」も大変たくさんのお客さんに来ていただき、にぎわいました。1日目が11万人、2日目の予想は15万人と報道されていました。2日間で26万人。2日間で人口の3倍弱のお客さんです。

あまり意味のある比較ではないのですが、白川村を関市にたとえると、年に一度の一大イベントである刃物まつりの2倍くらいのお客さんが毎日のようにやってくるということになります。白川村のすごさがわかります。

観光で生きていくことに決めた白川村は、平成の大合併で市町村合併には加わらず、一村独立の道を選びました。

今、岐阜県北部・飛騨地方は、高山市、飛騨市、下呂市、大野郡のわずか3市1郡となっています。近隣の他の自治体がみな雪崩を打ったように大合併へとのめり込み、大きな合併市にのみ込まれていった中で、大野郡にたったひとつ残った自治体が白川村です。

ちなみに、岐阜県南部・美濃地方には、加茂郡に東白川村があります。県内の「村」は、白川村と東白川村の2村だけになってしまいました。


 

懇談会で私は、関市のような合併自治体は合併10年後からの普通交付税削減という財政問題がありこれからが大変だということ、白川村のリゾートホテル誘致問題は難しい問題だが村の将来を真剣に考えているからこその問題で、その姿に村の活力を感じるということを発言しました。

あとで、白川村のベテラン村議の方から、「さわたりさんの話を、『白川村はこれからも高山市と合併せずにがんばれというエールだ』と思って聞きました」と言われました。

こんなやりとりになりました。

「白川村は合併をしなかったということで普通交付税は減りましたか?」

「一時少し減った時期もありましたが、むしろ以前より交付税は増えています。合併論議の頃は、『合併しないと交付税が減らされてやっていけなくなる』と言われていましたが、そんなことはなかった。」

「国におどされて合併した自治体はだまされたようなものだと思いますよ。」

「(白川村は合併をしないという)私たちの選択は間違っていなかったということですよね。」

「間違っていなかったと私は思います。」

がんばってほしいと思っています。


白川村の奇祭どぶろく祭

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鳩ヶ谷の八幡神社。

社殿の前で神楽が奉納されていました。

白川村には5社がありそれぞれ同様の祭があるとのこと。

村内のお祭りは1ヶ月位続き、

それから長い冬を迎えます。

 

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ご神木の太さが長い歴史を物語っています。

 

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獅子舞を見守る小天狗。

 

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獅子舞の奉納。

3人で操る獅子は百足獅子(むかでじし)と呼ぶそうです。

 

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参詣者に、どぶろくが振る舞われます。 
飲み干すと注ぎ手の方が次々と注いでくれます。

おそらく、たくさん飲むと神様と一体になれるのです。

どぶろくは神様の恵みなのだと思いました。


この日は雨だったので、テントの下で立ったままですが、
天気が良ければ、筵(むしろ)が敷かれ、
その上に座っていただきます。


(祭の写真は10月16日撮影)


【参考リンク】


「飛騨の観光振興 将来に向け十分な議論を」
岐阜新聞 2013年8月11日社説




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