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関市公共施設白書が示したもの

2014-05-31

関市は「関市交渉施設白書」を今年3月に公表しました。
関市の公共施設879施設(延べ面積:約44万4千平方メートル)の状況を調査しまとめたものです。


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関市公共施設白書 1頁から抜粋
(クリックで拡大表示)


白書は本文261頁、資料編30頁、全体で291頁あります。(※表紙・目次等も含めると総頁数数は296頁-6/10追記) 概要版は11頁に縮めてあります。

公共施設白書でわかったのは、関市にはとてもたくさんの公共施設があるということ、その施設の更新には莫大な費用がかかるということです。

同白書によると
関市の公共施設の市民1人当たりの面積は4.86㎡

(全国の市町村平均は3.42㎡)

施設の老朽化も進んでおり、

全体の35.7%が旧耐震基準の施設であり、築30年以上の施設は40.5%

という状態です。

試算された公共施設の更新費用は衝撃的です。

更新投資額は、今後50年間で約1,829億円(年平均約36.6億円)

費用の一部を起債により先送りしても

今後50年間で約1,672億円(年平均約33.4億円)

これに対して

過去3年間の関市の公共施設に対する投資実績は年平均19.3億円

現状では公共投資を増やす余力はありませんから、このままではまったく見通しが立ちません。詳しくは、白書の「Ⅳ 更新投資額の試算による分析・評価(55~63頁)」をお読み下さい。

今後、自治体の人口が減少し財政が縮小していくのに合わせて、公共施設を減らしていく必要があるということになります。

関市秘書広報課では、この問題を市民と共有するために、マンガ小冊子「それゆけ!マネジマン!」(全8頁)を作りました。多くの人に読んでいただいて考えてもらいたい問題です。


 

2005年(平成17年)2月に旧武儀郡5町村と合併した関市を、合併前の行政区単位の地域別でみると、住民1人当たりの公共施設の面積は次のようになっています。

地域住民1人当たりの公共施設面積
  関地域               3.67㎡/人
  洞戸地域         11.03㎡/人
  板取地域         26.47㎡/人
  武芸川地域         6.44㎡/人
  武儀地域         10.81㎡/人
  上之保地域      14.42㎡/人

 

人口が少ない地域、あるいは人口密度が低い地域ほど、住民1人当たりの公共施設面積が大きくなるという法則性があることがわかります。

これは特に不思議なことではありません。たとえば、学校の例を考えてみるとわかります。生徒数が十分の一の学校は面積も十分の一にするというわけにはいきません。人口が少ない、人口密度の低い地域では、1人当たりの施設面積がどうしても大きくなるのはやむを得ない面があるのです。「1人当たりの面積」というのはそういう意味合いも含んだ上での目安として理解することが必要です。ですから、上の数字を見て「この地域は公共施設が多すぎるからけしからん」というような単純な評価をしないように気をつけていただきたいと思います。個々の施設をどうしていくかは、具体的に検討しなければなりません。それがこれからの課題です。



市町村合併によって公共施設の統廃合が進んだか。

改めて振り返ってみると、「ほとんど進まなかった」というのが合併後9年間の関市の実情ではないかと思います。

旧5町村の役場庁舎はそのまま地域事務所として残され、職員は大幅に削減されたものの、建物はそのままです。ようやく旧洞戸役場が取り壊されることになり、洞戸事務所と洞戸ふれあいセンターを併設する複合施設として「ほらどキウイプラザ」(洞戸地域の特産品キウイフルーツにちなんで付けられた愛称。明日6月1日10:00から竣工式です。)が整備されました。

旧町村役場の再整備のような事業は、合併後10年間の財政特例期間にもっと進められるはずでした。しかし、合併後の関市では、関駅周辺整備事業(市直営ホテルを中核施設とする交通拠点整備事業)や、健康福祉交流施設整備事業(市役所に隣接する農地を買収し、保健センターや多目的ホールを中心とする施設整備を行い、鉄道から離れた市街地の外れにある市役所を公共交通の中心拠点にしようとする事業)といった計画が優先され、その是非が市民世論を二分する大問題となりました。旧役場をどうするのかといった問題は、結果的に後回しになったのです。

日本共産党関市議員団は、合併後の二つの大きな施設整備事業に反対してがんばりました。関駅周辺整備事業も、健康福祉交流施設整備事業も、それぞれ市長の交代をもって計画の終焉をむかえました。

現職の尾関健治・関市長は、前市長の健康福祉交流施設の計画を中止し、2代前の市長の関駅周辺整備事業の予定地だったところに簡素な交通拠点整備をおこないました。それが今春完成した長良川鉄道関駅西口の「関シティターミナル」です。そして尾関市長は公共施設整備白書を作ったのです。

白書を見ながら、この9年間を思い起こし、この白書は本当ならもっと早く作られるべきものだったと思いました。

カタカナの横文字はあまり好きではありませんが、「公共施設のマネジメント」(公共施設の整備や維持について、将来を考えてうまく管理すること)は、地方自治体にとって今後の大きな課題です。そしてこれは、平成の大合併をおこなった自治体にとりわけ重くのしかかる課題です。


 

クロユリ 2014-05-19撮影.jpg

 

クロユリ
(2014-05-19撮影)



関市公共施設白書へのリンク

 http://www.city.seki.lg.jp/0000006050.html


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