公民センターの無償譲渡
これは市が所有する洞戸小瀬見集会場を、小瀬見自治会にタダで差し上げますというものです。10日に、その集会場を見てきました。
洞戸小瀬見(ほらど、おぜみ)集会場
建築年:1986年 延床面積:67.1平方メートル
「税金でつくった建物を住民にタダでやってしまうとは何事か」
と思われるかもしれませんが、これは住民が積極的に望んでいるということではありません。むしろ市当局が勧めていることなのです。
今後、公共施設の更新費用が莫大なものになると見込まれています。(参考:「関市公共施設白書が示したもの」さわたり通信2014-05-31付) そのため、関市は公共施設を減らしたいと考えています。公民センターや集会場を地域の人がもらってくれるのなら無償譲渡する方針です。ただし、譲渡するのは建物だけです。土地は譲渡しません。建物だけの無償譲渡受け入れは市としては有り難い話なのです。
議案書では、無償譲渡をおこなう理由を次のように説明しています。
譲渡の理由
地域の公益活動拠点施設として、自主的な管理運営を図るため
しかし、無償譲渡をしなくても、「自主的な管理運営」をこれまでもおこなっているのですから、これではあまり説明になっていないように思います。まちがってはいませんが、わかりにくい説明です。無償譲渡を受ける地域の方々の思いは様々だと思いますが、行政側の実際のねらいは、行政の管理経費削減です。
これまでにすでに7ヵ所の公民センターや集会場が地域自治会組織に無償譲渡されるなどで廃止され、市の管理を離れました。
無償譲渡等で廃止された公民センター・集会場
(関市公共施設白書から)
関地域 4ヵ所(南部公民センター、瀬尻公民センター、大門公民センター、保戸島公民センター)
洞戸地域 2ヵ所(洞戸尾倉集会場、洞戸黒谷集会場)
武儀地域 1ヵ所(下之保殿村集会場)
これに新たに加わる洞戸小瀬見集会場は8ヵ所目になります。
洞戸小瀬見集会場の無償譲渡については、日本共産党関市議員団の小森よしなお議員が明日の本会議で議案質疑をおこなう予定です。
ところで、「公民センター」と「集会場」という2種類の名称が混在していますが、これは市町村合併前の名称を継続して使っているからです。旧関市の地域では行政が所有する施設を民間の類似施設と区別して「公民センター」と名付けています。民間が所有する類似施設は「集会場」、「集会所」と呼ばれています。
関市公共施設白書を見ると、「公民センター」、「集会場」のほかに、市が所有する「集会所」がひとつだけあります。「安桜橋集会所」です。これは公民センター条例に載っていない、特異な公共施設です。
安桜橋集会所は、長良川鉄道関駅に近い踏み切りの横にあります。元々は民間の喫茶店でした。そこを関市が買い取ったものです。踏み切り付近の改良をおこなうためだったと聞いています。鉄道の線路と道路を立体交差にする構想があったとか、なかったとか・・・というようなことで、現在ではその土地の具体的な利用計画がありません。その建物がもったいないので、当分の間、地域の人に集会所として活用してもらっているという中途半端な状態です。
安桜橋集会所は、将来、廃止されるのだろうと思っていましたが、関市公共施設白書では、今のところ「存続」という位置づけになっています。
廃止が正式に決まっていないものは「存続」という前提で、白書は作られています。
そう思って白書の資料をみていたら、びっくりする事実に気づきました。
公共施設白書資料編16ページから
(クリックで拡大します)
「アピセ・関」のところに、廃止を示す「×」が付いているのです。
この×印に目が釘付けになってしまいました。
アピセ・関は利用者のとても多い施設で、刃物まつりなど市のイベントでも活用しています。 廃止になるとは思ってもみませんでした。そんな方針を耳にしたこともありません。青天の霹靂(せいてんのへきれき)です。
「アピセ・関は×がついていますが、廃止すると決まったのですか」
と、あわてて市の担当課に問い合わせました。
回答は、
「×を付けたのは間違いでした」
というものでした・・・。
青天の回復(?)となりました。
洞戸小瀬見のアジサイ
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