公明党は「平和の党」の看板を投げ捨てようとしている
2014-06-29
公明党代表が、集団的自衛権行使容認を表明しました。
公明代表 行使容認を表明 集団的自衛権 自公合意へ
公明党の山口那津男代表は、26日夜のNHK番組で、憲法解釈を変更し、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を限定的に認める考えを表明した。(以下略)
〔中日新聞2014年6月27日付朝刊トップ記事〕
公明代表の容認発言要旨
憲法九条だけを見ると、武力行使を一切否定しているように見える。しかし、前文で平和的生存権を書いてあり、十三条では生命、自由、幸福追求の国民の権利を政府が守らなければならないと書いてある。憲法全体では、国民の権利が覆されるときに何もしないのは許されない。それを守る最小限の反撃は許される。
安全保障環境は大きく変わっている。従来言ってきた個別的自衛権に近い形の、個別的自衛権に匹敵するような集団的自衛権であれば、一部限定的に容認して国民の権利を守り、国の存立を全うすることは許される余地があるのではないかと考えるようになった。
(武力行使を認めるための三要件の1つの)「明白な危険」は、法律でも使われている客観的な概念だ。これ以上広がらない歯止めが利いている。自衛の措置としての武力行使に限られるとも、はっきり書いてある。他国を守るために使う武力行使ではないと明記している。二重三重の歯止めが利き、拡大解釈のおそれはない。
中日新聞2014/06/27付二面から引用
憲法をねじまげて武力による平和を説き、集団的自衛権行使を容認し、「歯止め」があるから大丈夫と言っているのです。公明党がこんなことを言うようになるとは・・・。
「平和の党」看板に傷
〔解説〕公明党の山口那津男代表が二十六日、集団的自衛権の行使容認に転じた。(中略)
公明党は集団的自衛権の行使容認に一貫して反対の立場を取ってきた。山口氏は昨年七月、「断固反対」と明言。今年四月には、解釈改憲という手法を「憲法の精神にもとる」と批判し、長く維持されてきた政府見解を閣議決定で覆そうとする安倍晋三首相をけん制してきた。
山口氏としては、
安部安倍首相が解釈改憲に強い意欲を示していることを踏まえ、連立政権の維持を優先したとみられる。しかし、結党から五十年にわたって掲げてきた「平和の党」の看板を傷つけ、安倍政権の「ブレーキ役」を期待した国民を失望させるのは間違いない。(後略)中日新聞2014/06/27日付二面から引用〕
こうして公明党は連立政権維持のため安部安倍首相の暴走に迎合・加担し、「平和の党」の看板を投げ捨てようとしています。
しんぶん赤旗(6月27日付)によると、
2012年末の衆院選挙に際し「毎日」が行った全候補者アンケートでは、集団的自衛権行使への憲法解釈変更について、公明党候補の87%が「反対」しました。
解釈改憲追随が、あまりにもかっこわるいからでしょうか。あるいは、うそつきと言われたくないからでしょうか。「解釈改憲」という言葉自体を否定しようとする動きがあります。解釈改憲容認の国会議員から、「解釈改憲は容認反対派が使う言葉」であるとか、「解釈改憲ではなく、憲法解釈適正化だ」という主張が出始めているのがそれです。
この際、「解釈改憲」という言葉まで葬ることで、国民の批判をかわそうとしているのです。まったくひどい話ではありませんか。
ごまかしを重ね、批判を無視して、安倍政権は解釈改憲に突き進もうとしています。
許せません!
それにしても「個別的自衛権に近い形の、個別的自衛権に匹敵するような集団的自衛権であれば、一部限定的に容認」、「『明白な危険』は、法律でも使われている概念だ。これ以上広がらない歯止めが利いている」などと、よくぞ言えたものです。
修飾を加えたり言葉の置き換えをして文言を工夫すればごまかせるという考えだと思います。そのせいで、どんどん話がわかりにくくなるばかり。まったく説得力がありません。
「個別的自衛権に匹敵するような集団的自衛権」などという「概念」は、常識外れで聞いたことがありません。理解しがたいものです。「匹敵」という言葉の使い方も変です。
山口氏の”言い訳”に出てくる、「明白な危険」というのは、高村正彦自民党副総裁が示した閣議決定原案の、その修正案の言葉です。原案の「おそれ」という言葉を、公明党の主張で「明白な危険」になおしたから「歯止め」になったと、山口氏は言っているのです。そんな言葉遊びのようなことで解決する軽い問題ではないはずです。言葉を換えても歯止めになどなりません。くわしくはこちらを→「主張 高村座長試案 『限定』は悪質なごまかしだ」(しんぶん赤旗2014年7月27日)
日本共産党の山下芳生書記局長は、公明党の集団的自衛権行使の容認姿勢について昨日の記者会見で次のように述べました。
仮に、閣議決定に手を貸すことになったのなら、憲法9条の平和主義を覆す”共犯者”になったということになる。「平和の党」どころか、「戦争する国づくり」の党といわざるをえず、その責任はきわめて重大だ。
しんぶん赤旗 2014/06/27
28日の新聞各紙は、今後の国会説明用に政府が作成した想定問答集に、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を、国連の集団的安全保障による武力行使にまで拡大解釈する内容が含まれていると報じています。閣議決定をする前から、すでに拡大解釈という無茶苦茶な話です。公明党はそれも容認するのでしょうか。
しかし、公明党にとっては、拡大解釈などもはや問題ではないらしい。
公明党は28日、党本部に地方組織幹部を集めて、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認について説明をしました。出席者からは「平和の党の党是に反する」などの反発や慎重意見が続出したとのこと。
山口那津男代表は、この地方幹部説明会の締めくくりのあいさつで
「(地方組織の)現場は健全だ」(岐阜新聞6月29日付)
と述べたそうです。
まるで自分たち公明党執行部が「不健全である」と認めているかのようです。
ところが・・・・・
「執行部は7月1日にも中央幹事会などの幹部会合を開き、対応の一任を取り付ける構えだ」
「執行部は1日にも自民党と正式合意するスケジュールを変更するつもりはない。会合はガス抜きにすぎなかった」
岐阜新聞 2014/06/29付から
これが民主主義なのでしょうか?
花言葉は、「欺かれた人」、「罠」
赤花は 「青春の恋」
白花は「裏切り」
公明党執行部には、
白花のムシトリナデシコが似つかわしいと思います
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