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関市自治基本条例の可決

2015-01-25

先月の関市議会のことを書いておきます。 

関市議会は2014年12月11日、自治基本条例に関する特別委員会を開催し、尾関健治市長が半年前に提出した「関市自治基本条例案」を賛成多数で可決しました。

日本共産党関市議員団からは、小森よしなお議員が委員として特別委員会の審査に加わって積極的に発言し、市長原案に賛成しました。

ひとつの条例案をめぐって特別委員会を設置し、審査に半年間もかけたというのは、関市議会では初めてのことでした。

焦点となったのは、市長が推進する「地域委員会」についての規定を自治基本条例に含めるかどうかという問題です。

最大会派の明政会(自民党系=全員が自民党員)は、自治基本条例に「地域委員会」の規定を入れることに反対し、11月下旬に開かれた特別委員会に、「地域委員会」の規定を削除するなどを内容とする修正案を提出していました。

12月11日の特別委員会は、明政会の修正案を否決し、市長原案を可決したのです。


「地域委員会」とは、尾関健治市長の公約によるもので、広域合併で広がった市域を学校区を基準に15の区域に分割し、地域の課題解決に取り組むために組織される住民組織です。強制的なものではありません。

各地域委員会が地域課題解決のために事業をおこなう場合、それぞれ年間300万円を上限とする資金が市から交付されます。

すでに一部の地区で地域委員会の活動がスタートしており、試行がおこなわれてきました。残りのほとんどの地区でも地域委員会を組織する取り組みがはじまり、本格実施の段階を迎えようとしています。

全市的に取り組まれるこの地域委員会を自治基本条例に位置付けることは当然です。地域委員会の実際の運営には、さまざまな課題があり、限界や懸念もあると思いますが、すでに始まっている地域委員会の取り組みが、住民自治の拡充に有意義な役割を果たし得る可能性があると、私たちは考えています。

ところが明政会は、「自治基本条例にも、地域委員会にも反対ではない」と繰り返し強調しながら、「自治基本条例には地域委員会を規定しない方が良い」と主張しました。

一方では、議員として関係予算に賛成し、地元では地域委員会の「顧問」におさまったりしながら、他方では、自治基本条例には地域委員会を規定したくないという主張をしているのですから釈然としません。

「反対しない」と言いながら、「賛成する」とは言わないのです。

地域委員会について「独立した条例を定めるべきだ」と言いながら、それを提案するわけでもありません。

「地域委員会以外の別の選択肢を排除すべきでない」などと言いながら、その「別の選択肢」が何であるかを示すわけでもありません。

単に地域委員会の削除を求めていたのです。

結局のところ地域委員会に反対しているのとあまり変わらないと思いました。

関市議会で明政会が展開した「地域委員会に反対しているわけではない」という主張の仕方は、どこかで聞いたような気がしました。

思い当たったのは、安倍晋三首相がアジア・太平洋戦争について、「私は『侵略ではない』と言ったことはない」などと言いながら、「侵略だった」とは決して言わないことです。もしかしたら安倍首相の「巧妙なレトリック」に学んでいるのでしょうか?

ともあれ、同委員会の採決は、委員長を除く11名の多数決でおこなわれ、

明政会修正案に賛成4名(明政会のみ)

市長原案に賛成7名(共産党1、平成会1、公明党2、無所属1、市政クラブ2)

という結果でした。


委員会を通過したこの条例案は、12月19日の本会議に報告され、討論・採決がおこなわれました。本会議でも市長原案が賛成多数で可決されました。

本会議でも反対したのは自民党系最大会派・明政会でした。同じく自民党系の市政クラブは市長案に賛成し、自民党系でも賛否が分かれました。

明政会が条例から「地域委員会」を削除すべきだとした理由として、最も印象に残ったのは、特別委員会における次のような発言です。

「市長がかわれば、次の市長は、

『私は、地域委員会は、やらない』

と言うかもしれない」

明政会は、地域委員会の規定に反対をしただけでなく、「地域委員会(の取り組み)は。やらない」と言うような「次の市長」の誕生を期待しているようでした。

関市では、2015年4月のいっせい地方選で県議選と市議選、9月に市長選があります。

飛騨の冬 2008年.jpg
飛騨の冬

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