サップ・フォーティーエイトのファンになれない話
2015-03-22
今日は地元の自治会総会でした。
総会のあと、お弁当が配られ食事になりますが、その際に少し時間をいただいて、今回の定例会で決まったこと等をいくつか簡潔に報告させていただきました。
その時にもお話した関市の行財政改革のことを書いておきます。
関市は、平成28年度から一般家庭用のごみ袋の値上げを実施する方針です。
3月20日、市議会定例会の閉会後に市議会全員協議会が開かれ、市当局から今後3年間の「行政改革アクションプラン」の説明がおこなわれました。その中で次のことが明らかになりました。
関市は「行財政改革」の目玉として、
家庭用ごみ袋の値上げをする方針で、
平成28~29年度の2年間に
約2億7千万円の増収を見込んでいる。
定例会の前に説明してくれればよいのにと思いますが、定例会が終わった直後の説明でした。
この問題については、4月の市議選後の議会で議論をするということになります。
現在、関市の家庭用ごみ袋の大袋(45リットル)は1枚6円で、これは袋の実費です。
新たにごみ処理費の受益者負担を導入して、1枚50円とする案が提案されたのは、平成25年度第3回定例会のことでした。
ごみの処理経費は、ごみ袋大で一つ当たり400円かかる。その8分の1の50円の負担を求める。
という提案でした。
しかし市民の強い反発があり、「関市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正」が市議会で否決となり、値上げが中止になりました。平成25年10月7日のことです。
その後も市長は「適正な受益者負担を求める」との立場を崩していませんでした。それはこの前の代表質問でも確認したところでした。そして、定例会が終わってからより具体的な方針が明らかにされたのです。
「平成27年度予算の概要・重点施策」という、以前から公開されている関市の文書があって、次のように書かれています。
2.基本方針
(1)行財政改革(行政改革大綱方策関連、公有財産管理適正推進方策)
① 新たな行財政改革プランのアクションプランに基づき行財政改革を進め、その進行管理を公表します。(以下省略)
【市長公室・秘書広報課】
この「新たな行財政改革プランのアクションプラン」が具体的に姿を現しました。
関市の行財政改革アクションプランの正式名称は、
~せき行財政改革アクションプラン~
「SAP☆V48」
(「サップ・フォーティーエイト」と読むそうです)
はやりのアイドルグループ名に似た愛称(?)が与えられています。
※SAP(サップ)は、「セキ・アクション・プラン」のことで、Sは関市のローマ字表記の頭文字、Aはアクション(行動、実行)、Pはプラン(計画)を示します。☆は区切りを示す記号ですが、きらめきを表現し、発音しないVは、改革の成功を期する思いを込めたビクトリー(勝利)の頭文字であると同時に合併関市のV字型の地形を示しています。「48(フォーティーエイト)」は、改革に取り組む項目が48項目にまとめられていることを示しています。なお、この解説は私が聞いた話をまとめたもので、公式のものではありません。
この計画では、3年間の「改革」による数値目標をかかげています。
「改革」による財政削減
目標額 8億円
(平成27~29年度の3年間の累計)
48項目のうちには今のところその効果を金額で示すことができないものもあるため、
現時点で積み上げた目標額
合計 7億7千490万円
そのうち、
ごみ処理経費の適正負担
2億7千660万4千円
(平成28、29年度の2年分)
3年間の行財政改革の目標額の3分の1以上が家庭ごみ処理経費の受益者負担増による経費削減であるということになります。
この負担増はどうしても必要で、「やむをえない」とあきらめるべきでしょうか?
ここで、前回の本ブログの記事「関市には隠れた財源がある」をお読みになった方は、私の言おうとすることに、おそらく気づかれたことと思います。
なぜ8億円の削減が必要なのか?
22億5千万円も
財源を先送りしてるのに。
ムダを省くことにはもちろん賛成ですが、ごみ処理経費はムダなものではありません。関市の今の財政状況で、あえて住民に負担増を強いる必要があるのでしょうか。そこをはっきりさせる必要があると思います。
先日の予算委員会の自由討議で、私は「ごみ処理の受益者負担」を議題に挙げましたが、そのことが19日の定例会最終日に本会議で次のように報告されました。
「ごみ処理の受益者負担について」では、ごみの減量化を市民にお願いしながら、財政的負担も勘案し、今後、適切な料金のあり方について、市民に十分説明して検討していく必要がある、との意見がありました。
【3月19日 新年度予算特別委員会委員長報告から】
自由討議のときの、他会派の意見は、
受益者負担増はやむを得ない。前回のいきなり1枚50円に値上げというのはまずかったが、もう少し金額を抑えれば市民の理解が得られるのではないか。
というようなものでした。全会派が発言したわけではありませんでしたが。
私たち日本共産党関市議員団は、
家庭ごみの処理経費はこれまでどおり公費でまかない、住民とともにごみ減量化に取り組んで経費節減をはかっていくべきだ。
との立場を市議会で表明しています。
「サップ・フォーティーエイト」のファンにはなれそうもないと思っている次第です。
イワシ・フォーティーエイト !?
関連ページ
さわたり通信の「ごみ袋値上げ問題」の記事
ゴミ袋値上げの件ですが、私は財政的な観点からでなく、少し負担を多くすることでゴミの量自体が低減されるのではないかと期待していますが、猿渡さんはどうお考えですか?今や、ゴミに対する考え方自体を変えるべき時代に来ていると思うのですが。
by 野澤敬子 (2015-03-23 08:52)
野澤さんの質問にお答えするため、「ごみ減量化の手法について」(2015-03-28)という記事を投稿しました。
by さわたり (2015-03-29 07:57)