「家庭ごみ有料化」に対する関市議立候補予定者の賛否
2015-04-11
「選挙となると候補者は誰もが良い事ばかり言う」ということを有権者の方から言われます。
それで意見の違いがわからない、何が争点かわからないということです。
そういう中で、関市の「家庭ごみ有料化」は、今度の市議選の重要な争点のひとつではないかと思います。
「家庭ごみ有料化」は、具体的には「家庭用ごみ袋値上げ」という形で住民に負担増をもとめるということです。住民負担増によって行政経費を削減するーそのような「行財政改革」なのです。それが「改革」の名に値するのかどうか私は疑問に思っています。
関市長は、平成25年に1枚6円の家庭用ごみ袋を50円に引き上げる条例案を市議会に提出しました。住民の強い反発を背景に、関市議会では「賛成少数」で否決となり、家庭用ごみ袋の値上げは中止となりました。
「議会が否決したのだから、それで決着がついた」と多くの人が考えているのではないかと思われます。
しかし、残念ながらそうではありません。
関市当局は平成27年度中に条例改正をおこない、平成28年度から家庭用ごみ袋を1枚50円に引き上げる方針をすでに市議会に対して明らかにしました。選挙後の市議会に改めて条例改正案が提出されるのです。これは3月19日の市議会定例会閉会後の関市議会全員協議会で説明がおこなわれたもので、新人の方は別にしても、現職の市議は全員が知っています。
それなのに、もう決まったことだ、終わったことだということで済まそうしたり、あるいは選挙に臨もうとしているこのときに賛否を表明することに何か支障があるかのような回答をしている現職の方があることに、大変おどろかされました。
回答というのは、関市まちづくり協議会のアンケートに対する回答のことです。
一昨年の定例会で賛否が割れ、今後の重要な争点になるからこそ、関市まちづくり協議会は、この問題をアンケート項目に入れたのだと思います。
その回答の賛否を、有権者のみなさんにはぜひ見ておいてほしいと思います。
先日も紹介した同協議会の「関市議会議員立候補予定者に9の質問。」というアンケート調査の回答で、立候補予定者27人の賛否を調べてみました。(アンケートの回答者は24人に増えています。)
「家庭ごみ有料化」に関する市議立候補予定者27人の賛否
賛成 13
(現職9・新人4→足立 市川 鵜飼 川合 栗山 桜井 土屋 西沢 幅 松田 三輪 武藤 渡辺)
反対 4
(現職4→小森 後藤 さわたり 長屋)
賛否を明言しない 7
(現職7→石原 太田ひ 鷲見 田中 波多野 村山 山藤)
無回答 3
(現職1・新人2→太田ま 塚原 西部)
※関市まちづくり協議会のアンケート調査の回答(4月11日6時現在)による
※立候補予定者名は姓のみで名を省略、敬称略。詳しくは文末のリンクでごらん下さい。
家庭ごみ有料化の条例案が平成25年10月に否決されたとは思えないような回答結果です。
選挙後の市議会では、ごみ袋料金の値上げが可決されてしまうのではないかと心配される状況であることが明らかになりました。
日本共産党の私と小森よしなお議員は、「家庭ごみ有料化」の根本のところ、家庭ごみ処理費に受益者負担を導入するという考え方そのものに一貫して反対しています。ごみ処理は公費でおこなうべき事業だという立場を維持すべきだと考えています。財政的にも、家庭用ごみ袋の値上げをしなくても、関市はやっていけると見ています。このことを選挙でも大いに訴えていくつもりです。
明政会の方で「反対」が2人ありますが、今後をどう考えるかという点では、その反対の意味合いが日本共産党関市議員団とはまったく異なっています。
1人は、「焼却費用は(中略)市役所が負担すべき」としながらも、「大幅な引き上げに反対」、「段階的に引き上げるべき」と主張して、今から受益者負担導入に妥協的な態度を示しています。
もう1人は、「市民に対して説明不足」、「美濃市との協議が十分されていなかった」として一昨年の市長のやり方に問題があったと批判しており、「家庭ごみ有料化」による住民負担増そのものにはまったく反対していません。
「市民に対して説明不足」という意見を、複数の現職議員が口にされますが、私は正反対の見方です。この種の案件について、一昨年の関市ほどたくさんの住民説明会をひらき、丁寧に説明をした例はあまりないだろうと思っています。その説明を聞いた多くの住民が、家庭用ごみ袋の値上げ案に反対の意向を示したのです。説明が悪いからではなく、住民が望んでいないことなのです。当時、実際にいくつかの住民説明会に出てみてそう感じました。
「美濃市との協議」についての批判も、関市が受益者負担導入を中止し、一方で美濃市が受益者負担を導入してしまった今となっては、単に市長の不手際を強調しているようにしか思えません。何の意味があるのかよくわからないのです。関市と美濃市は統一料金でなければならないと言いたいのでしょうか。
こんなふうに、同じ「反対」という回答でも、中身はまったくちがうものです。
なお、市議会の採決では、議案に対する賛成のみを挙手や起立で議員が意思表示し、「賛成多数」か「賛成少数」かで可否が決まります。賛成しないものは反対と見なすということです。賛成か反対かどちらか、立場を明らかにするのが言わば議員の責務です。「賛否を明らかにしない」、「無回答」ということで済ますわけにはいきません。
ちなみに、市議会の採決に先立っておこなわれる討論のルールは、「賛否を明らかにした上で理由を述べる」というものです。賛否をはっきり表明できないようでは、そもそも議場で討論をする資格も与えられないのです。
アンケートの回答を有権者のみなさんによく見ていただいて、「政策本位の政治選択」の参考にしていただきたいと願っています。関市議会が役割をしっかり果たせる議会になるかどうかは、その選択にかかっています。
***リンク***
関市まちづくり協議会によるアンケート
「関市議会議員立候補予定者に9の質問。」
***さわたり通信の関連ページ***
「サップフォーティーエイトのファンになれない話」
2015-03-22
※関市のごみ袋値上げ方針のことがわかります
「家庭ごみ有料化の理由ー関市長の答弁から」
2015-03-24
※市長の考えがわかります
「ごみ減量化の手法について」
2015-03-28
※さわたり直樹の考えがわかります
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