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『女性手帳』の未来

2013-05-22 

『女性手帳』と『結婚十訓』は似ている

そう考えたという話の続きです。

前の安倍内閣のとき、

柳沢伯夫厚生労働大臣(2007年当時)が「女性は産む機械」と発言しました。

石原慎太郎都知事(2010年当時)が語った言葉は、

「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です。」

いずれも不遜で、異常な発言です。

『女性手帳』がそれらの発言の延長線上にあるものだと思えてなりません。


 

柳沢氏(1935年生まれ)や石原氏(1932年生まれ)は、

『結婚十訓』の価値観と共に育った世代です。

その価値観を変えることができなかった人たちです。

その価値観を変える必要がない人生を送ってきた人たちです。

そう考えると2人の時代錯誤的発言の意味がわかります。

しかし、それを笑ってすますことはできません。

復古的イデオロギーに貫かれた改憲草案をかかげる

1954年生まれの安倍晋三首相は、

紛れもなく彼らと価値観を共有しているからです。


『女性手帳』の問題は、それひとつで完結しません。

自民党の野田聖子総務会長は、

「少子化対策は妊娠中絶問題から」

という考えだそうです。

「年間20万人が妊娠中絶しているとされるが、少子化対策をやるのであればそこからやっていかないと。」

「参院選後に党内の人口減少社会対策特別委員会で検討してもらうつもりだ。」

「堕胎を禁止する代わりに養子縁組の法律をつくる。」

(朝日新聞デジタル2013年2月23日18時50分参照)

つまり、「少子化対策」のために、人工妊娠中絶を禁止して、

望まない妊娠であっても、出産を法的に強制したいと言っているのです。


野田氏は「中絶禁止で子どもが増える」と計算しているのでしょうか。

ここにあらわれているのは、

「国策に従い奉仕する国民」

という考え方だと思います。

ひとりひとりの幸せを考えているようには思えません。

柳沢厚労大臣(当時)の「女性は産む機械」発言と表現は違っても、

本質は同じではないでしょうか。

戦争遂行に慰安婦は必要だったという

維新の会・橋下徹氏の慰安婦容認発言も、

女性を道具と考えている点で同根・同質です。

このような流れは、

国民を権力から守る日本国憲法を

国民を縛る憲法に変えようとする

自民党改憲草案に示された思想と無縁ではないと思います


結婚、妊娠、出産は、誰にとっても人生の一大事です。

国家権力が、その環境整備をすすめるのではなく、

「介入ではない」と言いながら、

個人の意思に介入しはじめることの意味を、

そして、それがどこに続く道なのかを、

よく考えなければならないと思います。


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