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関市には隠れた財源がある

2015-03-21

19日に、今期最後の定例会が終わりました。

20日は、市議選立候補予定者を集め説明会がおこなわれました。

今日は、小規模ながら市政報告会・懇談会をおこないました。

4月19日の市議選告示まであと一カ月を切りました。関市では合併後はじめて全市一区の選挙。定数23名(前回より2減)に対し、今のところ27名の立候補が見込まれています。当選ラインが上がると見込まれ、大変きびしい選挙戦になります。私たち日本共産党は現職2名で議席確保をめざします。

平成27年関市議会第1回定例会は、すべての議案を可決して閉会しました。最後まで全力を尽くしたつもりです。

私たち日本共産党関市議員団は、条例改正、補正予算、新年度の3会計の予算、合わせて6件の議案について反対討論をおこないました。

私は、一般会計予算の討論で、

関市は「財源の先送り」をおこなっている

と指摘しました。使うことのできる財源があったのに使わなかったという意味です。その額は平成26年度と27年度の2年間で、22億5千万円に上ります。

このことを理解している人は少ないのではないかと思います。

一般の人に知られていないのはもちろんですが、市議会でも他の会派はまったく注目していません。

しかし、市の財政問題を考える上で、無視できない問題だと思います。


「財源の先送り」とは、どういうことか。

もう少しくわしく言うと、

関市は「臨時財政対策債」(りんじざいせいたいさくさい)、略して「臨財債」(りんざいさい)の発行を抑制することで、この2年間(平成26年度と27年度)に22億5千万円の財源を後年度に先送りにしていることになる。

ということです。

これはわかりにくい話だと思います。

わかりやすく言いなおすと

関市は使える資金22億5千万円を使わないで節約している。この使わなかった分は後に国から関市に支払われるはずだ。

という意味です。

このことを理解するためには、「臨時財政対策債(臨財債)」を知っておく必要があります。行政の財政問題にかかわる人以外は、あまり耳にしたことがない言葉だと思います。

臨財債は、変則的な地方財源です。 

全国の自治体の多くは、地方税等だけでは財源が不足するため、国が「地方交付税」として国税を分配しています。国は地方交付税を自治体に交付する責任があります。

しかし算定したとおりに地方自治体に交付する資金が足りなくて国は困っています。

そこで、臨時の措置として「臨時財政対策債(臨財債)」という逃げ道を考え出しました。国が地方交付税として自治体に渡すべき資金の一部を、自治体名義の借金で立て替えてもらう、その立て替え分はあとで国が支払うということにしたのです。

「臨財債」とは、国丸抱えの自治体名義の借金のことなのです。

実質的には国の借金ですが、名目としては自治体の借金という形です。これは国の財政再建の過程の一時的な措置のはずですが、政府によって臨財債の発行期限延長が繰り返されています。

関市の臨財債の状況

平成26年度

 発行可能額 18億円

  発行額 5億円

  圧縮額 13億円

平成27年度

 発行可能額 14億5千万円

  発行予定額 5億円

  圧縮額 9億5千万円

圧縮額(つかわなかった分)は、この2年間で合計22億5千万円に上ります。

そして、この22億5千万円は、後に交付税として国から関市に支払われるべきものです。


臨財債の発行を抑制せず、発行可能額いっぱい発行して、余った資金を財政調整基金に積み立てておくこともできます。高山市はそうしていると聞きました。

高山方式→臨財債を限度額いっぱい発行し、余剰金は基金に積み立てる

関方式→臨財債発行を抑制し、後年度に国からもらう

高山方式の方が、自治体財政にどれだけの財政的余裕があるかわかりやすいのにと思います。

なぜ関市は臨財債の発行を抑制しているのか。

それには色々な意味があるようですが、いちばん大きい理由は財政指標に関係があるようです。

臨財債が実質は国の借金だと言っても、名目上は「市債」になりますから、臨財債を発行すればすればするほど市の借金がたくさん増えて、財政指標を悪化させます。「健全財政」を目指しながら市債が増え続けるというのは不都合なので避けたい。それで臨財債を抑制するということです。ちなみに関市の財政指数は良好です。

結果として、臨財債を発行しなかった分の22億5千万円は、国にあずけてある関市の資金だというわかりにくいことになりました。そのことを私は「関市は臨財債の抑制で財源を先送りにしていると考えられる」と指摘したのです。


関市には、総額で約170億円の基金残高(平成26年度末見込み。一般会計の11の基金の合計)があり、資料を見ればこれは目に見える金額です。

170億円の基金のうち、

・必要に応じて使える自由度の高い財政調整期金が56億7千万円余り。

・市債の償還に充てる減債基金が27億円余り。

・市町村合併後10年かけて積み立ててきた「地域振興基金」は、36億7千万円近くあります。

こういった目に見える資金のほかに、見えない財源があったのです。

国からまだもらっていない「臨財債発行抑制分」が22億5千万円あるということです。

これは大きな金額で、あるとないとでは大違いです。これだけの金額を使わずに先送りする財政の余裕が関市にはあるのです。

しかし、この財源は市の予算書などの資料をいくら見てもどこにも出てきません。

国からまだもらっていなのだから見えなくて当たり前なのです。

関市には隠れた財源22億5千万円がある

と言ってもよいと思います。

臨財債の抑制分は、その性質上、どうしても隠れてしまうのですが、無視するには大きすぎる金額になっています。この財源がまるで存在しないかのような態度をとるならば、それは財源を隠しているということになります。

関市には隠された財源がある

と言わなければなりません。

このような財源があることを棚上げにして、「財政がきびしい」ということだけを強調するのは、いかがなものでしょうか。

臨財債抑制分や基金を財源として活用し、やりくりをする余地がありそうだと思います。

過度な行政サービスの削減にストップをかけ、住民負担の軽減や福祉の充実のために財源を生かしてほしいと考えています。


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