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高校生の公共施設利用料の引き下げを

2015-03-30

「18歳以上に選挙権を」という考えには賛成ですが、高校生をあらゆる面で大人扱いするというわけにもいかないと思います。

高校生は大人か子どもかということで言えば、経済的にも社会的にも自立の途上にあって、大人の保護下にある子どもです。 

この前の市議会定例会で、高校生の公共施設利用料については配慮が必要だという問題を、私たち日本共産党関市議員団は提起しました。

具体的には、大人と同じになっている温水プールの利用料引き下げを求めました。

代表質問に対する市長の答弁は「高校生の公共施設利用料については、市内施設全般について調査中である。その調査をふまえて施設全般について検討をすすめ、全体としての適正な料金設定に努めてまいりたい。」というものでした。

関市の高校生の料金設定は「適正」とは言えないと思います。


何年か前のことです。

高校の水泳部の生徒の保護者の方から、

「部活動で水泳部が練習のために市の温水プールに行くのですが、利用料の負担が大変なので軽減してほしい。」

という要望をいただきました。

その要望を教育委員会に伝え、利用料の軽減を求めましたがうまくいきませんでした。

要望をいただいた頃の生徒達はもうとっくに卒業してしまっています。お役に立てなかったのです。

聞くところによると、その高校の水泳部は、今では温水プールに練習に行くのをやめて、冬季は筋力トレーニングばかりやっているそうです。ますます残念です。

中学校のとき水泳部だったけれど、進学した高校にプールもなく水泳部もないので、市の温水プールを利用しているという高校生もいます。

同じ公立高校でも、プールのある高校とない高校があります。また、プールがあっても、学校のプールは冬季は使えません。そういう点を補うのも公共のスポーツ・健康施設である市の温水プールの役割ではないかと思います。

民間のプールもあるしスイミングクラブもありますが、経済的理由をはじめとした色々な事情から誰でも入会できるというわけではありません。

昨年12月、高校生のお母さんたちと生徒達が自分たちで集めた900筆近くの署名を市長に届けて要望しました。

高校生の温水プールの利用料を中学生と同額にしてほしい

この願いに関市が応えてほしいと思っています。


 

関市役所に隣接する複合施設「わかくさ・プラザ」に、総合体育館・学習情報館・総合福祉会館の3施設があり、総合体育館の地下に温水プールがあります。

温水プールの管理運営等に年間3千万円かかり、その財源のうち1千万円が利用料収入による受益者負担になっているそうです。

「全額(受益者)負担だと現在の3倍程度の料金になってしまう」ということを市長は強調していました。「本当はもっと利用料を出してほしい」と言っているようにも聞こえ、誤解をまねきかねないと気になりました。コストの全額利用者負担を前提とするなら、それは公共施設である必要がありません。

関市公共施設白書によると、総合体育館の利用者は年間19万人近くで、その中で温水プール利用者が最多です。温水プールは1年に290日開き、年間53,930人、1日当たり186人が利用しています。プール利用料収入を1000万円として53,930人で割ると、1人当たりの平均利用料は170円位のようです。

スポーツ・健康施設全体(21施設)の年間コストが2億8千万円に対し、利用料収入が2千万円ほどです。温水プールの利用料収入は収入全体の5割を占めています。

温水プールの利用料がコストの3分の1をまかなっているということは、関市のスポーツ・健康施設の中では立派なもので、他の施設にくらべて受益者負担率がかなり高い施設だということを示しています。

関市の温水プールの利用料 

   一般 400円

   小・中学生まで 100円

   高齢者・心身障がい者 100円

   幼児 無料

 ※小学校2年生以下は保護者の付き添いが必要

高校生は、大人と同じ一般扱いです。

12枚つづりの回数券が4,000円。1回当たり333円になるので少しお得です。

しかし、市長の答弁によると、高校生の利用状況は芳しいものではありません。

関市の温水プール 高校生の利用状況

 平成26年11月 延べ52人

  内訳 個人利用者30人、部活動利用22人

 平成26年12月 延べ41人

  内訳 個人利用者22人、部活動利用19人

 (平成27年3月3日 関市議会・尾関健治市長の答弁から)

高校生は、冬季に1日平均1人か2人くらいという程度の利用です。

利用している高校生の実人数が、延べ人数より少ないことは言うまでもありません。

今は春休みですが、高校生の利用状況はどうなっているのだろうかと気になるところです。

経済的負担能力という点では、高校生は中学生と同じではないでしょうか。

中学生が高校生になったとしても、経済的に自立するわけではありません。高校生の受益者負担は、実態として保護者の負担です。「高校生は大人と同じ料金でよいのか」ということを、あらためて考えてみる必要があると思います。

高校生を大人と同様に扱うのは、営業収支優先の民間施設ならそれも仕方がないと思います。その民間の事業でさえ、中学生と大人の間に高校生料金が設定されている例が多くあります。公共施設で高校生への配慮があってもおかしくありません。

「21施設のコスト2億8千万円に対し収入が2千万円」という実情が示すように、元々、公共のスポーツ・健康施設はお金儲けのために設置されているのではありません。料金収入を増やすために「高校生は大人と同じ」とする受益者負担の考え方が適切だとは思えないのです。いかに使ってもらって施設を生かすかが大切ではないでしょうか。

関市は、高校生の利用料を引き下げると収入が減ることを心配しているような感じがしますが、仮に減収になっても、現在の高校生の利用がとても少ないので大きな影響はないはずです。

市の温水プールの利用料は高校生と中学生を同じ料金にしてよいと思うし、むしろその方がいい、安くしてたくさん使ってもらったほうがいいと思うのです。 もちろん高校生以外も安くできるのならその方がよいと思います。

安くしたほうが利用が増えて、

収入も増やせる可能性があるのではないか。

私は、高校生と保護者が集めた900筆の署名が、その可能性を示していると思います。

高校生の公共施設利用料については、引き続き軽減を求めていきたいと考えています。 

なお、ここでは話をわかりやすくするために「高校生」と言っていますが、「中卒以上18歳の年度末まで」を念頭においています。

 

スミレ 1.jpg

 

スミレ 

 


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